蒼き宙にて






「・・・・・・・・・もう、13年か・・・・・・」

ネオアース。
以前の早乙女研究所を模したリビングで。
いつも通り、ガチャガチャ戯れているリョウ達から少し離れたソファに座っている隼人が、ボソッとひとりごとのように呟いた。
「あ?」
反射的に問い返したリョウは、あわてて言葉を飲み込んだ。
 13年。
あの、日。
 望まずとはいえ、時空を飛び越えてしまった自分と武蔵と違い、悲惨な現実をただただ受け入れて、守るべき者たちのためにすべてを捧げて生きてきた弁慶と隼人。リョウも先の見えない未来に狂いそうになったが、実際に人類の苦しみをつぶさに目の当たりにせざるを得なかった二人は、どれほどの悲哀にくれたのか・・・・・
 武蔵も痛ましそうな目で三人を見ていた。決して離れないと思っていた4人が、バラバラになって苦しんだ13年の月日。

 言葉にならず。
 ただ、肩を寄せる労り。
 と、隼人に近づこうとしたとき。

 「・・・・・・クソだな・・・・」
 は?
 よくよく見ると、隼人の目に剣呑な光が浮かんでいる。
 「お、おい?」
 いち早く警戒態勢に入ったリョウが、そろりと声をかける。
「な、なにに怒っているのかな〜〜?」
 すでに足が逃走準備の武蔵。
 「どうした隼人。まずいことでもあったか?」
弁慶が促す。こういうところは貫禄あるなあと。リョウも武蔵も思う。見た目は変わらねど、13年の月日を思い知る。
 「管理人だ。」
 へ?!
  ((へ?!))
 どこの?
 「このサイトの管理人だ。今年でサイト開設13年周年だというのに、ここ三年ばかり放置していやがる!!」
 冷たい、冷た〜〜い眦。
 「未完で終わらせるつもりは無いと、偉そうに言いきっていたくせに何という体たらくだ。おれの部下なら即刻処分だ!!」
 憤懣、という漢字は、こういうとき使うのかな、と三人はビビる。
 「隼人司令、中央指令室にお越しください!。」
運よく?連絡が入った。
隼人はさっさとドアに向かい、くるりと振り向いて、
「おい、お前たちで管理人をとっちめておけ!!」



「そうは言ってもなぁ・・・・」
あとの残された三人、顔を見合わせる。
「管理人を怒らせると、おれたちの待遇にとばっちりがくるし・・・・」
「おいら、少しでもかっこよく書いて欲しいからなあ・・・」
「隼人もさ、管理人の性格知ってるだろうに・・・・」
「管理人が一番得意なのは、アン・ハッピーだもんな。」
ということで。


  「「「これを読んでおれらる皆さん、管理人に反省しろメール、送ってやってくださ〜〜い!!」」」

      (2017.5.30)